2023年度事業報告 (自2023年4月1日~至2024年3月31日)
概 要
従来からの各事業については、会員の協力のもと確実に実施した。
今年度も、「作詩の普及活動」として、5月及び10月に「通信作詩講座(演歌・歌謡曲・ポップス)」を実施した。
また、2020年度から実施して高い評価を受けている公益的な文化事業「第3回作詩塾・東京【作詩講座2023】」を8月に開催した。
一方、著作権に関する諸問題等については、JASRAC及び他の関連団体と連携・協力しながら取り組んだ。
会員との懇談については、新型コロナウイルスの影響で総会後の懇親会は実施できなかったが、けやきホールに隣接するリブレでソフトドリンクを提供した懇話会を行った。
また、1月には飲食を伴う懇親として新年会を実施した。
SNSを使った情報発信等については、2022年度から実施している協会の公式X(旧Twitter)で継続的に情報を発信している。
*会員異動状況
2023年4月 1日 | 850名 |
2024年3月31日 | 800名 |
入会者 | 19名 |
退会者 | 53名 |
資格喪失 | 7名 |
物故者 | 9名 |
(1) 年間事業
以下に記載する事業は、当協会が年間を通して行う継続事業である。
1. 第56回日本作詩大賞及び新人賞 (石原信一作詩大賞委員長)
「日本作詩大賞」は、当協会が総力を結集して行う最大事業であり、音楽業界をとりまく厳しい環境の中で、音楽文化の発展に多大な貢献を果たしている。
第56回目を迎えた今回は、テレビ東京の支援のもと2023年12月9日(土)にBSテレ東で生放送された。その番組内で新人賞の最優秀賞と優秀賞、そして佳作も発表された。
2023年度の作詩大賞候補は、レコード会社11社から54作品の応募があった。今年度も、第1次選考を外部音楽ジャーナリストに委託し、第2次選考会をテレビ東京で行い、12月9日の本選に臨んだ。
新人賞は、新人作詩家の登竜門として音楽業界からも注目を集めており、最優秀作品と優秀作品はCD化され、入選作品を掲載した作品集を刊行した。作品集は入選者に贈呈し、一般には実費で頒布している。
今年度の新人賞は1471編の応募作品があり、第1次、第2次そして最終選考による厳正なる審査の結果、入選作品として78編が選ばれた。
その中から最優秀新人賞1編、優秀新人賞1編、佳作9編が決定した。
☆作詩大賞ノミネート16作品(タイトル五十音順)
「雨の空港」 | 岸 快生 |
「今も…セレナーデ」 | 田久保 真見 |
「こころ万華鏡」 | 松井 五郎 |
「昭和の背中」 | 吉 幾三 |
「だってめぐり逢えたんだ」 | 松井 五郎 |
「追憶-北の駅-」 | さわだ すずこ |
「捕まえて、今夜。」 | EARSY |
「椿姫咲いた」 | 林 あまり |
「天空の城」 | 荒木 とよひさ |
「二代目」 | 木村 竜蔵 |
「花わずらい」 | 松井 五郎 |
「 |
かず 翼 |
「望郷竜飛崎」 | 原 文彦 |
「星くずセレナーデ」 | 深海 弦悟 |
「北海港節」 | いで はく |
「酔えねぇよ!」 | 吉 幾三 |
☆本選審査員(五十音順)
審査委員長 | 富澤 一誠(音楽評論家) |
委 員 | アン・クレシーニ(言語学者) |
近藤 サト(フリーアナウンサー) | |
中野 信子(脳科学者) | |
やく みつる(漫画家) | |
柳亭 市馬(落語家) |
☆受賞作品
日本作詩大賞 | 「北海港節」 |
作詩 いで はく | |
作曲 弦 哲也 | |
編曲 矢野 立美 | |
歌唱 三山 ひろし | |
制作 日本クラウン株式会社 |
審査員特別賞 | 「星くずセレナーデ」 |
作詩 深海 弦悟 | |
作曲 Scott Taylor | |
編曲 Michael Howard Jr | |
歌唱 辰巳 ゆうと | |
制作 株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント |
☆新人賞授賞作品
最優秀新人賞 | 「ルージュの蝶々」 |
作詩 吉津 佳風 | |
作曲 浜 圭介 | |
編曲 溝渕 新一郎 | |
歌唱 秋元 順子 | |
制作 キングレコード株式会社 |
優秀新人賞 | 「東京とんぼ」 |
作詩 奈緒 | |
作曲 浜 圭介 | |
編曲 溝渕 新一郎 | |
歌唱 秋元 順子 | |
制作 キングレコード株式会社 |
佳作(9編) タイトル五十音順 |
「愛の鎖に…」 | 藍川 由那 |
「アブサン」 | 小泉 厚子 | |
「傘がない夜は」 | 川村 圭 | |
「シャンパーニュの泡」 | 近藤 英子 | |
「忍冬の片思い」 | 氏原 一郎 | |
「ちょっぴり泣いただけよ -As love goes by-」 | 氏原 一郎 | |
「時の贈り物」 | 沙木 実里 | |
「やんちゃ」 | 海野 清二郎 | |
「夜空に五線譜拡げたら」 | 氏原 一郎 |
2. 「通信作詩講座(演歌・歌謡曲・ポップス)」 (髙畠じゅん子作詩講座委員長)
内容としては、作詩の勉強をしたい会員、一般の方を対象にして、講座申込をした受講希望者に協会で作成したテキスト、講評券2枚と協会・受講者宛返信封筒を送付し、応募作品に対して講師が講評をして返信している。
一度テキストを購入して受講した後は、講評券を追加購入することにより、継続して講評を受けることができる。
2022年10月(第5期)から2023年12月(第7期)の間の受講作品601編のうち、次の6作品が優秀作品として発表された(作品タイトル五十音順)。今後も優秀な作品は、様々な形で発表していく予定である。
『明日の風』 | 南 さとみ | 『俺は海人』 | 丸山 八留男 |
『恍惚のモナリザ』 | 三谷 サキ | 『知らんが花や』 | 中林 みゆ |
『化けて候う』 | 中林 みゆ | 『番神岬』 | 三谷 サキ |
第6期 2023年 5月8日~2023年 7月20日 受講作品数161作品
第7期 2023年10月2日~2023年12月 1日 受講作品数165作品
登録受講者数239名 うち会員38名
3. 「第3回作詩塾・東京 作詩講座2023」 (髙畠じゅん子作詩講座委員長)
2022年度に引き続き、新型コロナウイルスに対する対策については基本的に参加者の判断に委ねつつ、密になるような利用は避け高齢者など重篤化リスクの高い人が参加する場合はマスクの着用を推奨するなど、適切な判断を求めて実施した。
「講師と参加者の方々が“詩”について語り合えるような“少人数での勉強会”」を趣旨として参加者を会員、一般から公募し、46名の参加者を8グループに分けてそれぞれに理事が講師として参加した。参加者各自1編の作品を持ち寄ってテキストとし、講師による講評や参加者同士の合評を行った。今年度は、趣旨が生かされるよう1グループ1部屋利用とした。参加者からは、「『彩』『五感』『皮膚感覚』を意識する大切さを改めて感じた。」「具体的なアドバイスをたくさん頂いた。これからの指針になった」「落ち着いた環境で勉強できた。」「詩と歌詩の制作の違いがよく理解できた。」等高い評価を受けた。
4. 2023年版 年刊詩謡集「きょうの詩 あしたの詩」 (たきのえいじ詩謡集委員長)
本事業の主な目的は「作詩の普及」で、作詩家協会の会員が新人からベテランまで、この一冊のために一編だけの新作を持ちよって作りあげる作品集である。これだけの作品集を出し続けている団体は作詩家協会だけで、会員の喜びと誇りが詰まっている。
歴代会長・委員長の序文はこのことを味わいのある言葉で書かれているので、是非ともご一読いただくことをお勧めしたい。
参加作品は184編であった。
なお、2022年度から、著作権保護の観点から当協会のホームページ上への掲載は、装丁、序、作品タイトルのみに変更した。
5. 会報・協会ホームページ (久仁京介広報委員長)
実務報告を加え、執行部と会員、または会員相互の交流を図ると同時に、関係団体とコミュニケーションの円滑化をはかるものである。
- 年4回 4月,7月,10月,12月発行(No. 223~226) 発行部数 1000部
ホームページは、会員サービスの一層の充実をはかると共に、情報開示が求められており、当協会もオフィシャルホームページで一般にも情報発信をしている。
ホームページでは、当協会の紹介、日本作詩大賞及び新人賞、作詩家協会作詩講座、ソングコンテストグランプリ、作品集、入会案内などを掲載している。
6. 研修会 (万城たかし研修委員長)
2021年度の研修旅行会が新型コロナウイルスの影響で延期(期間未定)となって以降、研修を行えていない。旅行に限ることなく会員のための研修を行う観点から名称を研修委員会と改称し、企画を検討したが、新規の研修を行うには至らなかった。
7. 日本作曲家協会との共同企画 作詩・作曲コンテスト「ソングコンテストグランプリ・2024」
(石原信一ソングコンテスト委員長)
2023年度も日本作曲家協会との共同企画で行うこととし、歌唱は走裕介(日本コロムビア)に決定した。作詩募集期間は、2024年1月15日より3月15日、応募窓口は、日本作曲家協会で、応募作品は、1189編となった。
最優秀作詩賞には、「孤狼 よ走れ」(広瀬ゆたか)、「男が母を想う時」(佐藤勝美)の2編が選ばれ、他に優秀作詩賞2編、佳作9編が入選した。
なお、最優秀作詩賞2編を課題詩に、4月19日から作曲部門の募集が開始された。
8. 情報発信等のIT化 (松井五郎マルチメディア委員長)
SNS(ソーシャルネットワークサービス)を利用した情報発信の方法として、2022年10月26日から協会の公式x(旧Twitter)を開始した。作詩大賞新人賞やソングコンテストグランプリ等の作品募集や協会の事業などを発信し続けている。スピーディーでバラエティー豊かな情報発信を目指している。
9. 財務委員会 (原文彦財務委員長)
協会事業の予算・決算に関する企画立案を行った。
(2) 協賛事業
主な関係団体への協賛
- JASRAC賞の贈呈式及びJASRAC主催の各文化事業(日本音楽著作権協会)
- FCA(一般社団法人日本音楽作家団体協議会)アンケート「音楽作家の実態・意識把握調査」
- 日本作曲家協会の音楽祭(日本作曲家協会)
(3) その他の実施事項
1. 理事会
理事会は、原則月1回開催される。
協会の事業遂行に関する事項について決定し、事業計画及び収支予算、事業報告及び決算等々を検討、社員総会において審議・決議、報告していくものである。
2. 社員総会
事業報告及び決算、事業計画及び収支予算等々の諸問題を審議し決議する。
- 6月23日(金)けやきホール
議案 1. 2022年度事業報告について
2. 2022年度決算報告について
3. 2023年度事業計画について
4. 2023年度収支予算について
※ 協会の健全化を目的として調査を委任した第三者委員の報告を受けた。
3. 委員会
各委員会は、理事会で決定した事項によりその実務を遂行している。
作詩大賞委員会(新人賞選考委員会含む)、作詩講座委員会(通信作詩講座、作詩塾)、
詩謡集委員会、広報委員会(会報、ホームページ)、研修委員会、 ソングコンテスト委員会、
マルチメディア委員会(SNS、YouTube)、財務委員会
4. 全国地区会
各全国地区会の自主的活動を第一としており、地方の会員が自主的に勉強会や懇親会を各地区で開き、その場所に会員の要望で役員が出張して親睦を深める等、各地区の充実と発展を主たる活動方針に揚げている。
全国地区会は、北海道、東北、北関東(茨城・栃木・群馬)、埼玉、千葉、東東京(世田谷・杉並・練馬区を除く区部)、西東京(世田谷・杉並・練馬区・市部)、神奈川、北陸甲信越、東海、近畿、大阪、中国、四国、九州・沖縄の15地区会となっている。
2023年度4月期決算報告書(PDF:142KB)
以上