いい詩みつけた

涙をぬぐって働こう

三好達治

みんなで希望をとりもどして涙をぬぐって働こう
忘れがたい悲しみは忘れがたいままにしておこう
苦しい心は苦しいままに
けれどもその心を今日は一たび寛ごう
みんなで元気をとりもどして涙をぬぐって働こう

最も悪い運命の台風の眼はすぎ去った
最も悪い熱病の時はすぎ去った
すべての悪い時は今日はもう彼方に去った
楽しい春の日はなお地平に遠く
冬の日は暗い谷間をうなだれて歩みつづける
今日はまだわれらの暦は快適の季節に遠く
小鳥の歌は氷のかげに沈黙し
田野に霜にうら枯れて
空にはさびしい風の声が叫んでいる

けれどもすでに
すべての悪い時は今日はもう彼方に去った
かたい小さな草花のつぼみは
地面の底のくら闇からしずかに生まれ出ようとする
かたくとざされた死と沈黙の氷の底から
希望は一心に働く者の呼び声にこたえて
それは新しい帆布をかかげて
明日の水平線にあらわれる

ああその遠くしずかに来るものを信じよう
みんなで一心につつましく心をあつめて信じよう
みんなで希望をとりもどして涙をぬぐって働こう
今年のはじめのこの苦しい日を
今年の終わりのもっとも良い日置き代えよう

いい詩みつけた

桜のお話

日本の桜の原種は11種類

  • ヤマザクラ
  • オオシマザクラ
  • エドヒガン
  • マメザクラ
  • チョウジザクラ
  • オオヤマザクラ
  • カスミザクラ
  • タカネザクラ
  • ミヤマザクラ
  • カンヒザクラ
  • シナミザクラ

エドヒガン + オオシマザクラ = ソメイヨシノ(江戸末期)

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